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旅に出ています。 

2006年12月11日 ()
住み慣れた横浜を離れて旅に出ている途中の(予定)の二十六ですごきげんよう。お金があまりなかったので新幹線は使わず高速バスです(´・ω・`)

さて、今日は予定通りであれば高速バスに乗って目的地に着いている筈です。この日記は昨晩のうちにFC2のタイマー投稿機能を使って書かれています。

けれどもまだ今日という日を過ごしていないので書くことが無い……

という訳で例のカフェの噂話でお茶を濁すことにしました。
出先でもカフェにいけるといいなぁ、と思っております。

では追記の中にカフェの噂話。
なんかお客さんからのお話が聞けたようですよ?
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「HYSTERICAL CAFFE」 -The other side of door- 二十六-13


 ドアを開ける。
 外と中とをただ仕切りだけのドアの向こうにその空間は今日も存在していた。
「いらっしゃいませ」
 いつもの様に席に案内される。案内される席はいつも決まってはいないが、大体は窓際だ。ここの店の構造上、窓際の席が多いせいもあるだろうが。
 私は前を歩く店員の背中を見た。ここの店員は決して客に媚びない。けれども愛想がない訳ではない。ただ、余計な事を喋らないだけなのだ。
 椅子を引いてもらい席に着き、お絞りと水を受け取る。外は良く晴れていてテーブルには光が溢れているというのに何故か眩しいと思ったことは一度もない。最近、それは微妙に調整された調光装置のせいだと気付いた。
「スペシャリテがあったら教えて欲しい」
 丁度季節の変わり目である今、新しいメニューが出始めているかもしれないと思い、私は私を席に案内した店員に尋ねた。その黒目がちな、私が「中くらいの猫」と密に呼んでいる店員は少しも考えることなく答える。
「ドリンクでは春の新作と致しまして雪解けをイメージしたこちらがただ今の御勧めとなっております。フードでは春野菜を使ったパスタをクリームソースとオイルソースで二種類ご用意させて頂いておりまして、特別春のスペシャリテという訳ではないのですが今月からメニューに加わったこちらのチキンソテープッタネスカソースもご好評頂いております」
 聞き取りやすい滑らかで短い解説と共に差し出されたメニューにはそのスペシャリテ達の姿と名前があった。
「成程」
「……お客様にはこちらの春野菜のペペロンチーノがお勧めかと思われます」
 短い沈黙の後、「中くらいの猫」はそう付け加えた。
「ペペロンチーノ?」
「はい、筍、絹さや、アスパラガス、新玉ねぎ、春キャベツなど野菜をふんだんに使い、アンチョビで味にアクセントを付けた今シーズンお勧めの一皿です」
 実際、私はオイルベースのパスタが好きだった。けれどもそれを店員に話したことはもちろん、ここを一緒に訪れた友人達にも話したことは一度もない。
「何故それを私に?」
「いつもペペロンチーノやボンゴレビアンコなどをご注文されるのでクリームソースよりオイルソースがお好きなのかと思いまして」
 だから言っただけだ、当然だろう? そういう顔で「中くらいの猫」は答えた。
「なら、それとこのエスプレッソベースの春の新作を」
「ドリンクは食前でよろしいでしょうか」
 食後か食前か、ではなく食前で良いかどうかと聞く「中くらいの猫」と、私は目を合わせて一瞬だけ笑みを交わした。
「食前で」
「承知致しました」
 真っ直ぐに店の奥のパントリーに向かっていく「中くらいの猫」に私は尻尾の幻を見た。私は食事と一緒にオーダーした飲み物を「食前」以外、持ってこさせた事が無い。
 ここの店の店員は余計なことを喋らない。けれども良い仕事をする。

 席には沈黙が訪れた。私はこの沈黙を愛していた。静寂ではなく、沈黙を。
 店の中は音が絶えない。しかしそれは沈黙を壊す音ではないのだ。沈黙を壊す音と言うのはもっと不快でエネルギーを消費するものなのだ。
 私は数回、丁度カフェブームと言うものの真っ最中に出来たと思われる新進のカフェに通ってみた。
 新しく出来るカフェ達は全て居心地の良さを競うように追求していた。ソファを置いてみたりやたらと窓を広くしてみたり客に友達感覚で話しかけてみたり、と。
 本来カフェというものは本場欧州では社交場的な側面を持っているという。けれども私はオーダーの後の、カップに口を付ける時の、空になった皿とカップを見つめながらの、特に何をする訳でもなく窓の外や店内を眺める時の、その沈黙を愛した。そしてその新進のカフェの中にその沈黙を壊さずにいてくれるカフェは残念ながら無かった。
 「中くらいの猫」がバーカウンターの横でトレンチを持って待っているのが目に入った。私が心内で「のっぽの猫」と呼んでいるバリスタからカップを受け取っている。「のっぽの猫」はお世辞にも沈着冷静とは言えないが、丁寧な一杯を入れる良い職人だと私は思っている。
「お待たせ致しました」
 テーブルの上に置かれた春の新作はエスプレッソの上にホイップクリーム、更にその上に削ったホワイトチョコレートを山の様にふわりと盛り、ミントの葉をあしらった、まさに雪解けといった具合の一杯だった。そのカップの上の春に口をつけて間も無く、パスタが運ばれてきた。
 皿の上とカップがすっかり空になり、私は食後の沈黙を存分に楽しんだ。途中皿を下げに「中くらいの猫」が来たが、この猫は沈黙を壊さない術を知っている。
 私はこの店で見る二度目の春に、愛する沈黙と共に挨拶をした。

 「~円になります」
 キャッシャーには人が居なかったのか、「のっぽの猫」が立っていた。そう言えば声を聞くのは初めてな気がする。見た目より声が高い事が意外だった。
「春の新作、美味しかった」
「! ……ありがとうございます」
 「のっぽの猫」は少しはにかみ、お釣りを私の手の上に載せる。
「いつもご来店ありがとうございます。春の新作はまだ未掲載のものがあるのでそちらもメニューに載ったらどうぞお試し下さい」
「そうさせてもらおう」
 「のっぽの猫」はそれ以上は喋らず、ただ「ありがとうございました」と言ってお辞儀をした。

 私は思い出した。
 新進のカフェの中にはこの店よりも美味しい食事や珈琲を出す店もあった。非常に愛想の良い店員も大勢いたし、座り心地の良い椅子を揃えたカフェもあったという事を。
 けれども私はこの店以上に好ましいと思った店だけは思い出せなかった。
 食事好きが高じて都内、近県の様々なカフェを巡ったし、データベースも作った筈だったのだが。
「まぁ、いいか」
 あの店があそこに存在し続ける限り、私の沈黙は守られるのだから。
 私は背広の上着を脱いで肩に担ぎ、沈黙することが許されない職場へと、歩みを進めた。
 あの店でとる遅めのランチは一日の前半と後半を分けるボーダーラインだ。そこに愛する沈黙を挟める私はきっと幸せなんだろう……



 「あの人いつもランチにいらっしゃるよね」
 バリスタがカップを下げてきたウェイターに話しかける。もうすぐ三時。ティータイムが、始まる。
「ああ」
 次のオーダーをチェックしながらウェイターは短く答える。さっきまでメニューの差し替えをアルバイト達に指示していたのだがそれも予定通り完了する見通しが立ったのでバリスタを手伝いに来たのだ。
「春の新作美味しかったって」
「そりゃ良かった」
「常連さん……って事になるのかな?」
「かもな」
 ガシャコンッ!
 厨房から食器洗い機のドアを開ける音が聞こえる。
「常連でも一見さんでも」
「「「出すカップと皿は変らない」」」
 三人の声が重なった。
「そんなの基本だろ?」
 ウェイターとバリスタが振り向くとそこには休憩室にいる筈のオーナーの姿。
「まぁ」
「そうですね」
「だろ、特別なことじゃないさ」
 来店されたお客様には等しく精一杯を提供しなさい。
 随分と前、この店が開いた時にオーナーが口にした言葉だ。後から聞いた話ではどこかの本で読んだ言葉を流用したらしいが。
「で、そろそろティータイムだね。バリスタ大丈夫?」
「まぁ、なんとか」
「ウェイターは?」
「大丈夫です……多分」
 いつも通りの受け答えに満足したオーナーは張り切って厨房に戻って行った。
「オレンジアイスティーが必要だね」
「ああ、あの張り切り様じゃ、2時間と持たないな」
 着替えたらしい、オーナーの真新しいコックコートの背中を見送って二匹の猫はオレンジアイスティーを四人分淹れ始めた。

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[2006.12.11(Mon) 22:30] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ハロウィンってなぁに? 

2006年10月30日 ()
未だに着メロの設定が出来ていない二十六ですごきげんよう。眠いよ。とても眠いよ。

本日はバイトに行って参りましたが、最近荷物が少なくいささかバイトは暇。なので早く上がれます。早く上がってベイサイド○リーナ(アウトレットモール)に行ったりすることも出来ます。靴や雑貨やメガネや鞄をパーっと見て退散。うんやっぱり安いっていいな。何も買ってないけど(貧乏人)。
そして家に帰ったらおかずがありませんでした。作ろうにも材料もない有様。
ラーメンでも食べてくればいいじゃない、というアントワネット張りのばーさまの言葉を受けて近所のお気に入りのラーメン屋にお出かけしました。和風みそラーメン? を食べた。半熟卵増量は26的デフォです。あとラーメンに入ってるもやしが大好きです。

さて、毎回バイトの話ばかりじゃなんだと思うのでカフェの噂話を仕入れてきました。いつもよりちょっと長めに語ってくれたんだけど正直眠いよ。つーかここの従業員達、本当に色々飲みすぎ。

まとめサイトはこちらです→

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「HYSTERICAL CAFFE」 -A pianist in a counter- 二十六-12


 「オーナーがもう一杯って」
 休憩室から帰って来たアシスタントコックがグラスを洗い場に置く前にウェイターに声を掛けた。
「二杯でも足りないの……」
 唖然とするバリスタ。たまたまパントリーに戻ってきたウェイターも話に混じる。店内は少し客足が引いたようだ。
「オーナー、水とか大量に飲むもんなぁ」
「あ、いや」
 オーナーが水を飲みすぎる件について話し始めそうなウェイターとバリスタにアシスタントコックは慌てて割って入る。
「美味しかったから、もう一杯欲しいらしいよ?」
「でも飲み過ぎ」
 ウェイターとバリスタの声が綺麗に揃う。
「違うって、バリスタ腕上げたって言ってたよ」
 はた、とアシスタントコックは気付く。何でこんなに一生懸命オーナーの弁護してるんだろ?
「へぇ?」
 (オーナーに)褒められ慣れていないバリスタは素直に驚嘆の声を上げる。
「なんかちょっと、嬉しいかも」
「オーナーが好きな味だったってだけじゃねぇの?」
 すかさず入るウェイターの鋭い指摘。
「ああ、まぁ、オレンジだしそうだったんだろうね……」
 オーナーはオレンジが好きだ。ピンクの果肉のグレープフルーツよりもコタツの上の蜜柑よりもミニチュアの太陽のようなオレンジが好きらしい。
「で、バリスタに持ってこさせて、って」
「へ、私?」
「そう」
「ふーん……?」
 コックコートを着ている間、オーナーは誰かを呼び出して一対一で話をするという時間の使い方はしなかった。コックコートを着ている間は厨房の一員に徹する。直接口に出している訳ではないけれど、それがオーナー流のけじめだということを古株の従業員達は知っていた。
「じゃあ、早く持って行った方がいいんじゃねーの?」
 止め処なくホールを飛び回って流石に疲れたのか、パントリーの壁に寄り掛り、少し緩んだサロンを直すウェイター。けれども表情に緩んだところは一つもない。
「そうだねぇ……でもその前に」
 バリスタがウェイターに差し出したのは細身のトールグラスに注がれたカフェオレ。程よく冷やされていて、氷の変わりに小さなキューブ状にカットしたほろ苦いコーヒーゼリーが入っている。
「お、さんきゅ」
「アシスタントさんも」
 手早くコーヒーゼリー入りカフェオレ三つ作っていたバリスタは残る二杯のうち一杯をアシスタントコックに、もう一杯を自分で飲んだ。
「お~ありがと~」
 短いアイドルタイムの、更にその合間を縫う束の間の一杯。この店ではそれが許されている。
「さて、じゃあオーナーの為にもう一杯作りますか」
 と、バリスタが気合を入れたその時。
「バリスタ、アメリカンドゥエ(2つ)、エスプレッソトレ(3つ)、あとアイスココアお願いします」
「うぇ……」
 すかさず入る大量のオーダー。何組かのお客様が同時に来店されたようだった。
「気合、入れ直し……」
 バリスタが呟き終わると同時にエスプレッソマシンがいつもの声を上げる。
「え?」
「これくらいならやっておくから。早く作ってオーナーに持っていけよ」
 見るとウェイターが手際良くエスプレッソを用意している。
「あ、じゃあアイスココア……」
「やってるって~あまり待たせるとオーナーうるさいよ?」
 ココアはアシスタントコックが準備を始めていた。
「あ、ありがとう……じゃあオレンジアイスティー……」
「同じもの持って行くのも、芸が無いよなぁ ピヨ」
 にやにやと笑うウェイター。
「う……」
 いささか仕事の出来すぎる仲間達に感謝しつつ、ウェイターからの意地悪なプレッシャーに苦笑い。
「早くしないとティータイムになっちゃうよ?」
 アシスタントコックがカウンターの上を指差す。バリスタの居るドリンクカウンターの天井近くにホールで唯一の時計が取り付けられている。フレームは無く、十二時と三時と六時と九時を示す真鍮のプレートと同じ素材の針だけで構成されたシンプル極まる時計はオーナーが店内の雰囲気に合う時計を探し切れずせめて雰囲気を壊さないものを、と苦肉の策で取り付けられたものだった。アンティークの柱時計でも良かったのだけれど、出来れば時間を気にしないで過ごして欲しいからとオーナーは言っていた。ちなみに厨房と休憩室にはカレンダーが自動でパタパタと捲れるタイプの見やすい時計が色違いで掛けられている。これはオーナーの趣味丸出しだが見やすく分かりやすいので従業員には好評の様だ。
「わかった」
 ハチミツを入れたオレンジアイスティーをベースにグレープフルーツジュースで鮮やかなセパレートティーを作るとバリスタはそれを持って休憩室に足早に向かう。
「階段の手前でコケるに3000点」
「ドアの手前でコケるに3000点更に倍」
(……聞こえてるって!)
 意地悪くも心地良い仲間達の声を背中で聞きつつ、休憩室の階段を降りる。
 オーナーが待っている休憩室のドアをノックすると暢気なオーナーの声が応えた。
「オーナー?」
「あー、開いてるよ」
「失礼します」
 新しいコックコートをばさっと羽織ったオーナーはソファに寝転がっていた。その姿はある動物を思い起こさせる。
(犬……レトリバ……)
「今犬って思っただろ」
「ソ、ソンナコトナイデスヨ」
「顔に書いてあるから。とりあえずそれ、頂戴」
 ウェイターがグラスを手にしたまま首を機械的に横に振るのをオーナーは不機嫌そうに睨み、手を伸ばした。
「オレンジハニーとグレープフルーツのセパレートティーです。どうぞ……」
「ん、美味い」
 人を褒める時、オーナーは視線を合わせない。ただ単に恥ずかしいだけらしい。
「そーいえばさー最近ピアノの音、聞いてなくない?」
 ホールの片隅にあるピアノ。それは単なる飾りではない。
「は……まさか」
「さっき思い出したんだけど……ティータイムにいらっしゃるお客様でバリスタのピアノが聞きたいって方がいらっしゃったんだよねぇ」
 バリスタはピアノの心得があった。ホールのピアノはオーナーがバリスタに弾かせようと置いたものだった。しかし、仕事の忙しさに追われてバリスタは閉店後に練習するくらいで、客前で弾いたことは終ぞなかったのだ。ピアニストを呼ぼうかという意見も上がったが最初の演奏はバリスタに、と思ってオーナーはピアニストを呼んでいなかった。
「む、無理です練習してないのに!」
「うるさい、Noから始まるサービスはないって知ってるだろ」
「……ベーネ(はい)……」
「そのお客様は……ほら知ってるだろあの人」
「え……」
「三日くらいあればいいかな、練習期間?」
「……ベーネ……」
「曲は任せるってさ」
 絶対、思い付きだ。
 バリスタはそう言いたいのを堪えて溜息を吐いた。
(……ま、いっか)
 Noから始まるサービスはない。
 それは確かなことだ。お客様の要求に最大限応えるのがサービスってもんだろう。それがちょっとカフェ業務から逸脱気味でも。
「うん、やっぱり美味しい」
 目を合わせず、しかし満足気に言うオーナーを眺めてバリスタはああ、やっぱり大きな犬だと思った。

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[2006.10.30(Mon) 23:53] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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アイギスを待っている。 

2006年07月30日 ()
高速教習の先攻学科を受講し、教官の事故話に恐怖し今から不安になっている二十六ですごきげんよう。キックダウン怖いキックダウン怖い。

という訳で高速道路なんて滅多に行かないのですが、丁度花火に行く時高速乗ると思うんで助手席で合流をガン見しようと思いますのでよろしく黒猫。

ペルソナ3の音楽がとってもカコイイのでサントラを出かけたついでに置いてるかなぁ、くらいの気持ちで見に行ったのですが置いてなかった……まぁ、ゲームのサントラですしね、しかるべき場所に行かないとないですよね……仕方ない、西口に行くか。

今日、(横浜市)本牧まで脚を伸ばしたんですけどそしたらお馬流しの告知が出ていてとてもノスタルジックな気分になりました。
あ、「お馬流し」って言うのは横浜市中区本牧地区の県指定無形民俗文化財になっている行事でローカルなこと極まりないんですけど昔この行事を行う本牧神社の近くに住んでたんで馴染みがあるんですね。
どんな行事かって言うと茅で作った「お馬」を人の頭の上を渡して海まで持って行き、船から海に流すっていう感じです(適当)。「お馬」を海に流すことで災厄から逃れるとか(「お馬」に災厄を載せていく)そういう意味があるそうなんですが、昔お馬を流すところまで見に行ったばーさまは退屈でしょうがなかったそうな……。
ちなみに「お馬」が戻ってくるのはとっても不吉らしく、「お馬」は六体流すんですけど昔一回だけ全部戻ってきたことがあったそうで。その次の月に関東大震災。いや、偶然の一致なのかなんなのか知らないけどちょっとびっくりです。


カフェの噂話を聞きました。
なんか話してくれる人、わざわざ噂話にタイトルまで付けてくれるんですけどどうも映画とかから取ってくるくさいですね。

まとめサイトはこちらです→
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「HYSTERICAL CAFFE」 -Stairway To Heaven- 二十六-11


 パントリーの脇にある、よくよく注意しないとわからないくらい目立たない階段。地下の休憩室に通じるその階段を従業員達は時に石の様に重い足取りで、時に羽の様に軽やかに降りていく。
 そして今その階段をまさに降りようとしているアシスタントコックの足取りはというと……
「オーナー、一体どんな目に遭……」
 興味半分恐怖半分。
 ウェイターのあまりにも強引な、でもこれ以上ないってくらい効率的な方法で休憩室に連行されたオーナーの行く末をまだ誰も知らない(ウェイターを除く)。階段を降りる前にウェイターにちらっと聞いてみたけれど
「寝てるんじゃね?」
 というあまりにも素っ気無い答えしか返ってこなかった。
「はぁ……」
 オーナーがどうなったのか見たいけど少し怖い。でもパウンドケーキのことをオーナーに聞かなければいけない。そうこうしてるうちに階段は途切れる。そして一歩踏み出した先の左手に休憩室のドアはあった。
 コンコン
 ノックしてみても返事はない。
「オーナー?」
「……ん」
 微かに呻くような声がドアの向こうから聞こえる。
「入りますよー」
 また呻くような声が聞こえた。一呼吸置いて真鍮製のドアノブを回す。
「失礼しまーす……」
 ドアを静かに閉めて部屋をぐるりと見回してみる。
 部屋の中央に置かれた少し古ぼけたソファ。
 地上デジタル対応ではない21インチの液晶テレビ。
 複数の「誰か」が長い時間をかけて築いた書庫。
 黒い天板のセンターテーブル。
 入ってすぐの一角には小さいながらもトイレとユニットバスが付いている。休憩時間内であれば誰が使っても構わない。掃除は当番制だ。
「オーナー?」
「……んん?」
 オーナーはソファに身体を横たえていた……というよりは倒れこんでそのまま、という体勢で寝ていた様だった。ユニットバスのドアの前に置かれた脱衣籠には濡れたままのコックコートがぐしゃっと打ち入れられている。
「あー、アシスタント……」
 だんだん目が覚めてきたらしいオーナーは手探りで眼鏡を探した。丁寧にテーブルの上に置かれていた眼鏡はすぐに探し当てられ、オーナーの顔の上に戻る。
「……オレンジアイスティー」
「は?」
「オレンジアイスティー飲みたい」
 アッシュブラウンの髪の毛をぐしゃぐしゃと乱暴に掻き揚げて少し不機嫌そうなオーナーはオレンジアイスティーを所望の様だ。
「バリスタまだいるでしょ? オレンジアイスティー……」
 オーナーの眉間に皺が寄る。
「い、今持ってきます!!」
 下りてきた階段を駆け上がるアシスタントコック。そのままパントリーに駆け込んでバリスタを捕まえる。
「あ、オーナーどうだっ……」
「オ、オレンジアイスティー、ドゥエ!」
「え?」
「オーナーが飲みたいって」
「あ、そう、でもドゥエ(2)って……二つ?」
「オーナーが飲むんだから、一つで足りるわけないじゃんよ~」
「あ、そっか」
「早く早く~エスプレッソよりもエスプレッソで!」
 無駄にテンパっているアシスタントコックに急かされてバリスタが器用な指をフルに使い始める。
「そういう事言う余裕はあるんだな」
 トレンチを持ったウェイターがそんなアシスタントコックを鼻で笑った。
「言っちゃうんだもんしょうがないじゃんよ~」
「はいはい落ち着いて。出来たよ」
 いつものトールグラスではなく少し大きいタンブラーに二つ。
「おお、大盛りだ!」
「零さない様にね」
 バリスタに礼を言い、ウェイターに鼻で笑われてアシスタントコックは急いで再び階段を降りた。
「オーナー、アイスティー持ってきましたよー」
「ん、ありがと」
 オーナーはさっきとは打って変わってしゃっきりしている。顔を洗って髪には櫛を通したようだ。
「ん、美味い。言いたかないけどバリスタ腕上げたな」
 一息で半量を飲み干してオーナーは目を細めた。
「言ってあげればいいのに」
「アイツは褒めると舞い上がってミスが増えるから。褒めてたって言っておいてよ。それくらいが丁度良いから」
「そうですか」
「んー、それにしてもいつの間にか休憩室にいたような……」
 一つ目のアイスティーをすっかり飲み干し、二つ目に手を掛けたオーナーは首を捻った。
「え、覚えてないんですか?」
「んー、なんかウェイターに休憩室に連れてこられてコックコート脱がされてユニットバスに押し込まれたとこまで覚えてるんだけど……そういやシャツいつ脱いだんだろ……自分で脱いだ覚えがない……」
「あ、もう思い出さなくていいですよ、うん」
「いや、気になる……」
 流石に飲むペースが遅くなり、タンブラーが汗をかき始める。
「いや、それよりも!」
 思い出してはいけないことまで思い出そうとするオーナーをアシスタントコックは必死で止めた。
「パウンドケーキ!」
「パウンドケーキ?」
「あ、メモが読めなくなっちゃって、今日仕込むパウンドケーキがわかんなくなっちゃったんですよ」
「ああ、そうなの。今日はオレンジピールとレモンピールのヤツだよ」
 最後の一口を満足そうに飲むオーナー。思い出すのは止めたようだ。
「オレンジピールとレモンピールの、ですね」
「そうそう。あ、仕込み平気かな? そろそろ行った方がいい?」
「いや、ティータイムまでゆっくりしてて下さい。仕込みは平気ですので」
「そ」
 二つ目のタンブラーに入った氷をガリガリと噛んでオーナーは再びソファに寝転んだ。
「じゃ、お任せ~」
「ラジャ!」
 一仕事終えたアシスタントコックは大きく息を吐くと休憩室のドアに手を掛けた。
「あ、待って」
「へ?」
「これ……」
 寝転んだままタンブラーを指すオーナー。
「あ、下げますね」
「もう一杯、頼んできてよ。今度はバリスタに持ってこさせて」
「……ラジャ」
 ぱたん、とドアを閉めるとアシスタントコックは階段に脚を掛けた。
 この階段はホールへ、そして見慣れた厨房へとと続く階段。
 休憩室という安息所からキツいけど楽しい、店の表舞台への階段。
(オーナー……)
 オレンジアイスティーをバリスタに持って来させる様に指示したオーナーの顔は見なかった。
(直接言って上げる気になったのかな?)
 どうだろ?
 階段がもうすぐ終わる。階段の先にあるのは見慣れた店内。
 アシスタントコックは最後の一歩を左足で踏み出した。

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[2006.07.30(Sun) 23:19] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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魔法のフライパンが欲しい。 

2006年06月28日 ()
音楽と画像が合ってる映像にツボを突かれまくる二十六ですごきげんよう。そういえばこの間GAIちゃん宅にデカ科の猫い人と一緒に上がりこんだ時、素人足ツボマッサージと称して常さんの足の裏を思いっきり押したら飛び上がらんばかりのリアクションを取ってくれて大変満足した覚えがあります。

あ、表題の魔法のフライパンってのはこれです→

テフロン使い捨てはそろそろ抵抗が。
フライパンと北京鍋両方の一番大きいサイズを買えば他のパン類はいらなくなりそうです。あ、玉子焼き器は除く(四角いやつね)。

音楽と絵が合ってる映像(出来のいい音楽PVとかアニメのOP、EDとかですね)を見ると心躍ります。今のところ26の脳内ランキングは

アニメ部門
1:新世紀エヴァンゲリオン OP(残酷な天使のテーゼ)
2:ローゼンメイデントロイメント OP(聖少女領域)
3:桜蘭高校ホスト部 OP(桜キッス)
4:涼宮ハルヒの憂鬱 ED(ハレ晴れユカイ)
5:少女革命ウテナ OP(輪舞)

一般部門
1:ピンクスパイダー(hide with Spread Beaver)
2:本能(椎名林檎)
3:JOY(YUKI)
4:VIPPOPSTAR(平井堅)
5:traveling(宇多田ヒカル)

永久特別賞
ソルトレークシティオリンピック男子フィギュア
アレクセイ・ヤグディンSP
「ウィンター」

まぁ、入れ替わり激しいんですけどね。最後のは多分永遠に動かないですけどね。
こういうのは長くても5、6分で終わっちゃうんですけど圧倒的な情報量ですよね。うん、大好きだそういうの。


カフェの噂話を聞きました。
そろそろ他の人の口から語られるのも、聞きたいと思いませんか?

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「HYSTERICAL CAFFE」 -Nightmare before Teatime- 二十六-10

 ランチとティータイムの間の短いアイドルタイム。
 この時間を使って従業員たちはティータイムの準備をする。ホールだったらメニューの差し替え、厨房だったらスイーツの準備といった具合に。

 「さて、と」
「オーナーがいなくなった厨房でアシスタントコックは溜息混じりに気合を入れた。オーナーが戦線離脱を余儀なくされた今、厨房を取り仕切るのはアシスタントコックだ。アシスタント、なんて名前は付いているけれどこの店が出来てからいる古株のスタッフであるアシスタントコックは普段は厨房のリーダーだなのである。
「ケーキが届く前にパウンドケーキとプリンを作っちゃうかな~」
 独特の間延びした口調は威厳こそ感じられないものの、アルバイトや見習いのスタッフ達には親しみやすく好評だ。今日のティータイムのスイーツの割振りはオーナーが決めてメモを残しておいたからそれを参照して焼き菓子を作る。が。
「ねぇ~ウェイター」
「む」
 パントリーからウェイターを呼ぶとすぐに戻ってきた。
「あのさぁ、ティータイムのメニュー見せてくれない? 今日のヤツ」
「オーナーが朝メモに書いてたよ」
「いや、それがね~」
 メモ、だったと思われるものをアシスタントコックは苦笑しながら差し出した。
「ありゃ」
「さっきかかったみたいなんだよねぇ~」
 メモはしたたかに水に濡れていた。インクが流れて文字が解読不可能になっている。
「……すぐ取ってくる」
「お願い~」
 ウェイターの取ってきた今日のティータイムのメニューを見る。
「ふんふん」
 ワッフルはいつもの通りブリュッセルタイプとリエージュタイプを二種類用意。生クリームやフルーツ、シロップでデコレーションして提供されるのは主にブリュッセルタイプ、そのままお茶のお供として出されるのがリエージュタイプだ。生ケーキはちょっと重たいけれどお茶やコーヒーと一緒に甘いものが食べたい。そういう時にリエージュタイプのワッフルやパウンドケーキと言った生ケーキよりは比較的安価な焼き菓子たちが登場する。
 クレープはブリュッセルタイプのワッフルと同じようにデコレーションして提供するけれど、オレンジソースをフランベして提供するものもある。さすがにお客様の前でフランベはしないけれどそこらのカフェには置いていない珍しいメニューだ。オーナーがどうしても、と言って入れたメニューだけれど物珍しさからか、オーダーされるお客様は多い。
 生ケーキは一律の値段にお得なドリンクセットの値段がある。
 プリンは単体でどん、と出すかアラモードにする。
 あとはオーナーこだわりのアフタヌーンティーセット。
 違うフレーバーのスコーンを一つずつ。お好きなケーキを一つ。日替わりのサラダにフィンガーサンドイッチ。そしてポットサービスの紅茶(もしくはコーヒー)。今日のスコーンはくるみ入りとプレーンの二種類の様だ。サンドイッチは生ハムとアスパラ、玉子の二種類、サラダはランチから流用してきのこのマリネサラダ。
「悪いけどこれ、ウェイターに返しておいて~」
 パントリーから顔を出すとすぐ近くにバリスタがいたのでメニューを渡した。
「了解~」
 ほんの少しだけお客様が途切れたのでバリスタはパントリーの隅で休憩していたようだった。ウェイターのメニューを渡すとまた元の場所に戻ってきて見たことのない飲み物を飲んでいる。
「それ、新作?」
「ああ、そうそう。オーナーが紅茶ベースのバリエーション増やせって言ってたから試しに作ってみた」
 バリスタが汗をかいたグラスを振って見せるとかしゃかしゃと氷のぶつかり合う音がした。普通のアイスティーより色は薄いようだ。表面にミントの葉が浮いている。
「スイーツの仕込み、どう?」
 アシスタントコックとバリスタはリズムが似ているのか、話していてなんだか和む。
「んー、まぁ、なんとかなると思うよ~」
「そっか」
「でもさぁ、いつも思うんだけど」
「ん?」
「ウチってスイーツの種類、多過ぎない?」
「あー……確かに」
「でも、それがウリの一つなんだろうけどさ」
「オーナーがさ、満足いくアフタヌーンティーセットを置いてる店に巡り会えたことがなかったんだって。だったら自分の店に置けばいいってことであれこれやってるウチにそうなったんだってさ」
 この店のこだわりは大体、オーナーに起因する。やれ、床は板張りが良いだのピアノを置きたいだの、言い出したら切りがない。
「あ、そういえば」
「ん?」
「パウンドケーキはメニューを見ても今日は何を作るのかわからないなぁ……」
 パウンドケーキは作ってから一日置いたものを提供している。その方がしっとりとした味わいになるのだ。今日作る分は明日出す分となる。
「仕方ない、休憩室に行って聞いてくるか~」
 オーダーを作る、プリン、スコーン、サンドイッチの準備をそれぞれアルバイトのスタッフ達に割り振ってアシスタントコックは厨房を出た。
「いってらっさーい」
 暢気なバリスタの声。アシスタントコックは適当に手を振る。
「おい、オーダー来たぞ」
 アシスタントコックと入れ違いでパントリーに入ってきたウェイターに言われてバリスタは氷を喉に詰まらせた。
「バカ」
 それはあまりにもありふれたこと。
 なのでウェイターが驚くことはなかった。

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[2006.06.28(Wed) 23:59] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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真夜中のカレー。 

2006年06月21日 ()
深夜0時からカレーを作り始める働き者二十六ですごきげんよう。ニートが働き者とか言うんじゃねぇよ、というツッコミが聞こえそうですね。

今日は外に出ました。教習所。大変効率悪く色々受講しております。お陰で時間かかりまくりでございます。
ニートになってからこっち、夕ご飯の準備と皿の片付けは26の仕事となっています。いや別に構わないのですが、作るたびにマズいとか言われたらそりゃあ凹みますよお前の舌がおかしいんだこの味覚障害! と何度叫んだことか。お前だよマサピト! 全てに醤油と塩胡椒をかけないと気が済まないキチ○゙イめ!
で、今日は明日のごはんにする為のカレーを煮込んでたんです。
トマトカレー作りたいな……(カレーはスタンダードなものでないと家族からクレームが付きます。保守的な家庭……)。

最近暑いので愛飲していたプーアル茶をアイス仕立てにして飲んでいました。ちょっと濃い目に出して氷を目一杯入れたサーバーにずばーっと注ぐだけ。簡単お手軽美味しい。一度に三杯分くらい作れるので自分の部屋に持っていくのも便利です。
で、プーアル茶が切れてしまったので残ってたジャスミン茶を飲んでるんですけどこっちもいいなぁ。アイスにすると香りが和らいで(飛ぶともいう)がぶがぶ飲めます。
家にいるときは常に傍らにサーバー(ニトリで300円でした)があるような状態。コーヒーはあまり飲みません。あ、GAIちゃんち行った時は別ね。美味しいんだもんGAIコーヒー。

で久々にカフェの噂話など。
あーそんなのあったねーとか
前にどんな話してたっけ? とか
つーか一箇所閉鎖してね? とか
そういう声は全然聞こえなかったのですがまとめサイトなど作ってありますのでよろしかったら合わせてお読み下さい→

ウェイターとオーナーの間に(休憩室で)何があったかは皆様のご想像にお任せしますってことで。
Open↓

「HYSTERICAL CAFFE」 -Do golden retriever dream of two cats?- 二十六-09

 「オーナー、ティータイム始まるまで休憩するって」
 休憩室からパントリーに帰ってきたウェイターはいつものようにしれっした顔で言った。
「仕込み、大丈夫だよな?」
「あ、う、うん平気だよ、バイトの子も何人か来てるし……」
 動揺を隠そうとしていつも全面的に出してしまうアシスタントコックの声は少し震えているようだった。しかしそんなことに一々気を回すウェイターではない。
「そっちは?」
 視線をドリンクカウンターに滑らせる。バリスタの見かけより器用な指が一瞬震え、カップとソーサーがぶつかり合い大袈裟な音を立てた。
「あ、だ、大丈夫だよ」
「ったく、本当かよ」
 動揺を隠せない二人とは対照的に至って冷静なウェイターは水差しを片手にホールへ出て行った。
「オーナー、どうなったと思う?」
 ウェイターがホールの向こう側に行ったのを確認するとアシスタントコックが口を開いた。
「さ、さぁ……でも……」
 バリスタは安堵とも諦めともとれる溜息を吐いた。
「ぐっすり寝ていることは確かだね……」
「だね」
 異常なハイテンションで料理を作り続けるオーナーを休憩させることに失敗した二人は顔を見合わせて力なく笑った。

 遡ること30分前。
「ふん、やっぱりオレかよ……」
 これ以上オーナーが稼動し続けるのは危険と察知した従業員達によってオーナーを休憩に入れよう作戦が展開された。その先駆けとして正面から突っ込んだアシスタントコックは見事にスルーされて敗退。目先を変えて物で釣ろうとしたバリスタも見事に玉砕。そして最終兵器ウェイターの出番となった訳だ。
「がんばって」
 か細いバリスタとアシスタントコックの声援。それを鼻で笑うとウェイターはオーナーの背後に立った。
「オーナー」
「ん?」
「今、何作ってます?」
「A3テーブルのシチリアーナ。今上がったよ!」
 あらかじめ出してあった白い四角皿にパスタを盛りつけるオーナー。口元は笑っているけれど目は虚ろだ。
「おーい、これ持って行ってー」
 ウェイターはパントリーにできた手のシチリアーナを置くとホールに声をかけた。すぐにホールで働くアルバイトの女の子が来てシチリアーナを持って行った。
「よし、次は……」
 伝票をチェックしようとするオーナーの視線を身体で遮るウェイター。
「ちょ、見えないよ」
「もうオーダーはありません」
「え?」
 ばっしゃー。
 その音に厨房にいる誰もが、そしてパントリーから覗いていたバリスタまでもが息を飲んだ。
 厨房の床は水はけのいいゴムチップで出来ている。零れた水は瞬く間に排水溝に吸い込まれていく。
「あ……?」
 何が起きたか理解出来ていないオーナー。
 眉一つ動かさないウェイター。
 半笑いのアシスタントコック。
 呆気に取られているバリスタ。
「あ、眼鏡濡れちゃいましたね」
 オーナーお気に入りの四角い黒縁眼鏡をウェイターがそっと外す。オーナーの髪から水がウェイターの親指の付け根に滴り落ちた。
 片手にオーナーの眼鏡、片手に空の水差し。
 ウェイターが厨房に入った時、水差しには並々と水が入っていた。ただいつもと違っていたのは香り付けに水に入れているライムが入っていなかったという事だ。
「オーナー、コックコートが濡れてますよ。着替えて来て下さい」
「濡れてるってこれはお前のせ……」
「はいはい、着替えてきてくださーい」
 眼鏡を外されて足元がおぼつかないオーナーをウェイターはぐいぐい引っ張って行く。
「うわっ、うわぁっ」
 そのまま休憩室の方へ二人は消えて行った。

「まさかさぁ……」
「あんな方法を取るとはね……」
 オーナーを休憩に入れることが出来なかった敗残兵の二人はウェイターの行動をただただ見守るしか出来なかった。そして休憩室へ二人が消えて15分後、ウェイターはしれっとした顔で帰ってきたのだった。
「バリスタ、カプチーノ、ドゥエ」
 伝票を持ってパントリーに戻ってきたウェイターは顔を付き合わせている二人をすっと見据えた。
「おい、仕込みはいいのかよ」
「あ、い、今からやるよ」
 慌てて厨房の奥に引っ込むアシスタントコック。
「B4テーブルのエスプレッソまだかよ。もうお食事終わってるぞ」
「た、ただ今!」
 弾かれた様にエスプレッソマシンに引っ付くバリスタ。
 ――まさかあんな方法を取るとは思わなかったけれど……
 バリスタとアシスタントコックは別々の場所で同じタイミングで笑った。
 ――あれ以上ウェイターらしい方法もないよね。
「何笑ってんだ」
 ウェイターの声に二人はシンクロしたように同じタイミングでびくっと反応した。
 それを見てウェイターは鼻で笑う。


 もうすぐティータイム。
 当店のお茶とケーキで一息入れませんか?

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[2006.06.21(Wed) 23:52] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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カフェ話 by GAI
をぉ、見事に脱がせたみたいだね(違
ネクタイ引っ張るとかシャツがどうのとか
なんか細かい描写考えてたら行き詰まっちゃって
アップ出来ずに時間切れ(閉鎖
はっは、止めててごめんじゃった。お疲れさーん!!(脱兎

がんばったよ by 26
まぁ、小ずるい手ではあるけどねw
ネクタイとか濡れワイとか卑猥ですよGAIさん!

これからもぼちぼち書いていくわー。

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お食事でも如何ですか。 

2006年02月22日 ()
飲んだくれstyle。
 決戦が明日に迫っているということを今日知らされて決戦に赴く姐さんに何かエールを送ろうとして出てきた言葉が「お食事でも如何ですか?」だった二十六ですごきげんよう。何これ、飲みに行きませんかで良いじゃん。

 つー訳で今日も元気に殴りたい衝動と戦っていました。っていうか朝胃を激痛が襲って一時間遅刻……。い、意外とデリケートなんですよアハハ……。

 まぁ、そんなこんなで我が職場は問題だらけ、解決の兆しは見えません。そして明日決戦(会議)があるらしくてまぁ、どうでもいいやもう。

 姐さんがちょっぴり沈んでいたので思わず食事に誘ってしまい、相談の末職場の近くにあるもつ鍋屋さんに行きました。
 ここのもつ鍋はとんこつ味ってのがあってとんこつスープのもつ鍋。美味かったーーーー!!!!!
 あと焼酎が豊富だったんですけど、いや、最初はネタで頼んだんですけど「鳥飼」って焼酎は美味しかった……!!!!
「美味しいよ鳥飼美味しいよ」とか良いながら飲んでました。
 ずっと仕事の話をしてちゃんぽんを鍋に入れてすすって終了。と思いきや焼酎が美味しくて麦みそ焼き(写真の葉っぱの上に乗ってるヤツ)をオーダーしてちょびちょびつまみながら飲んでいたら良い感じに酔っ払って、原稿とかかけなくて行き詰っていたのでかっとなってカフェの噂話に参加しました。

 適当な奴らだよなぁ、カフェスタッフ。


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「HYSTERICAL CAFFE」 -Giorno di Chiusura- 二十六08-


 ある日の定休日前日。
 オーナーは普段の仕事が休みに入ったので張り切って厨房で腕を奮っていた。

 本当は定休日なんて決めたくなかった。
 せっかく来たのに店が閉まってた時のがっかりした感じ。
 そんなものはウチに来るお客様には必要ない。
 そうは思っていたけれども、店を一定のクオリティで維持していく以上、月に二日は必要だった。

 「みんな今日もお疲れ様」
「お疲れ様でーす」
 そして今日は月に二回の定休日前日。仕事明けのスタッフの顔も一段と晴れやかだ。バータイムが終わるのは午前二時。片付けをして三時。終電なんてとっくの昔に無くなっている。なので夜までいるメンバーは各自の乗り物、もしくは徒歩で家路に着くのだ。
 メンバーが帰るのを見送ってオーナーは鍵を閉める。普段は管理を任されている従業員がその役を担っていた。
 正午になったら契約している清掃会社の清掃チームが来てこの店をピカピカに磨いていってくれる。床にワックスをひいて、厨房の壁まで綺麗に磨き上げるのだ。
 さて。
 その前にもう一つ綺麗にするところがあるなぁ。
 オーナーはニヤリと笑った。目指すは厨房。そこにはあるものが隠されている。
「ちぃーっす」
 その時、出て行く者ばかりの店に侵入してきた影があった。まだ閉めていなかった厨房の裏口から見慣れた顔が二つ。
「げ!」
 ウェイターとバリスタ。この店の昼の顔だ。
「ほら、やっぱり自分の分は隠してるんだよ」
 定休日ということで日持ちしない残ったデリやケーキは閉店まで残っていたスタッフ達に分けられる。希望者は分け合って持ち帰って良いのだ。
 今日も多分に漏れずオーナーは気前良くデリを分配した。しかしそれにはある秘密が隠されていたのだ。
「うわー、マスター欲張りー」
 厨房の冷蔵庫を開けるとそこにはお持ち帰り仕様になった数々のデリとケーキ達。オーナーが自分の分、と残りものから抜き取っておいた分だった。
「ちょ、それは明日からのウチの朝飯だ!」
 ウェイターが中から出した包みを見てオーナーは慌てた。
「まぁまぁ」
「落ち着いて」
 二人に無理矢理イスに座らされるオーナー。
「マスター。こういうのはパーッとね?」
「そうそう、パーッと」
 爛々と輝く眼を見てオーナーは全てを諦めた。
「わかったわかった。セッティングはウェイターがしてよ?」
 明日は定休日。
 残り物のデリとケーキで、あとお店のお酒とコーヒーと紅茶を少々失敬して。
 パーっと、パーっと。
「くわとろーろとんどー」
 四角い皿と丸い皿。ウェイターが手際よくデリを盛り付ける。
「バリスタ、オレンジジュース、ブラッドの方、ジョッキでな」
「ベーネ!」
 オーナーの口から自然に笑みが零れる。
「あー、パンチェッタももたなそうだからいいや、この鴨のスモークも。お、テリーヌ作ったの忘れてた!」
 次々と発掘される賞味期限間直の食べ物たち。いや、正確には充分持つのだがオーナー権限で「今食べても良いもの=賞味期限の迫ったもの」に認定しているだけだ。
「マスター、こっちこっち」
 バリスタがジョッキにシュースを入れて手を振っている。
「カードやりましょう、カード」
 テーブルの上にはトランプとジョッキとウェイターが盛り付けたデリとケーキ。
「結局いつも通りか」
 このまま酒やら珈琲やら料理やらを気の向くまま作って飲んで。
 明け方までカード。たまに歌。
 そうやってるうちに寝てしまい――

「今週もですか」

 日が高くなった頃にやってくる清掃チームに起こされる。
 それが定休日前夜祭。

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[2006.02.22(Wed) 23:59] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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今日? ああ、引きこもりの日でしょ。 

2006年02月16日 ()
 家から一歩も出なかった二十六ですごきげんよう。仕事休みました。頭痛かった(そして悪かった)んですよマジで。

 つー訳で今日は途中から寝てるのが辛くなって色々してましたがあまりにもとりとめがなさ過ぎて書くような事がない。ただ今煙草撲滅運動をしているくらい。運動内容は家にある(26の)煙草を吸いきる、というもの。




 まぁ、そういう訳でカフェの噂話を聞きました。っていうか、噂してるんだよねオレらがさww

「続きを読む」の中にありますよ。

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「HYSTERICAL CAFFE」 -Trip in the battlefield- 二十六07-

「マスターが今日一回も休憩に入っていない件について」
「マスターの汗が尋常じゃない件について」
「マスターの笑い方が壊れかけのラジオに聞こえる件について」
「マスターが閉店までいるとか言ってる件について」

 アシスタントコックとウェイターとバリスタが顔をつき合わせている。どうにかランチタイムという戦場を駆け抜けた店内はお客様も従業員もなんとなくのんびりした雰囲気に浸っていた。
 けれども厨房は違う。ティータイムに向けての仕込が始まる。ランチタイムやディナータイムの仕込みに比べれば数段差があるけれどそれでも楽とは言えない。生ケーキは一流店から買い付けているのでショーケースに並べるだけで済むが他の焼き菓子や冷菓は全て厨房で作っている。バニラビーンズがたっぷり入った焼きプリン然り、しっとりとした口触りのパウンドケーキ然り。アフタヌーンティーセットに欠かせないスコーンやサンドイッチ。一つ一つの作業は軽くても種類が多いからそれなりに手間になる。
「マスター相変わらず夢中だね」
「なんていうか戦闘民族のような……尻尾生えてそう」
 オーナーの傍らには大量のスポーツドリンク。火が落ちることの無い戦場にいる以上、水分補給は最早義務だ。
「あ、今少しふらついた」
「普段引きこもりの癖にいきなり身体動かすから」
 三人は目を合わせて頷いた。
「そろそろ限界だな」
 オーナーの背中には染みが出来ている。中に着ているシャツを通ってコックコートにまで汗が染み出てきているのだ。
「まずシャワー」
「その後食事」
「そして休養」
 三人は頷きあった。目標、オーナー。
「B2テーブルトレコペルティ(三名様)、パスタ上がったー!」
 そんな三人の思惑は知らずランナーズハイ状態でオーナーは嬉しそうに料理を作っていた。
「よし、今だ」
 飲み物だけでゆっくりと過ごされるお客様ばかりになった店内。その隙を突いてまずアシスタントコックがオーナーを呼んだ。
「マスター、マスター」
 オーナーが呼ばれたほうに目をやると厨房の裏口からアスシタントコックが手招きをしている。
「ん~何?」
「えっとですねぇ、休憩に入ってください」
 満面の笑みで言ってみた。
「えへへ、じゃあオレ戻るね」
 満面の笑みを返して厨房に戻っていくオーナー。
「うわぁん、やっぱりオレじゃダメだよ!」
「ちっ、使えねぇヤツ……」
 ウェイターに悪態を吐かれながらしょんぼりと厨房に戻るアシスタントコック。
「じゃあ次バリスタね」
「えっ」
 アシスタントコックの失敗を目の当たりにして正攻法は通じないことを知っているバリスタは考え込んだ。そしてカウンター内でなにやらごそごそやってグラスを片手に戻ってきた。
「む」
 太陽のようなオレンジと夕日のようなブラッドオレンジが鮮やかに重なったセパレートオレンジティー。まだメニューにない新作。なるほど頭を使ったようだ。
「マスター、これ試してもらえませんか?」
 柑橘類もアイスティーも大好きなオーナーはすぐに飛びつく。
「お、いいねコレ!」
「でしょでしょ? せっかくだから休憩室でゆっくり……ってあぁあぁっ」
「んぐんぐ」
 バリスタが言い終わる前に差し出された空のグラス。
「暑い日にぐびぐび飲みたい味だね!」
「あ、あはは……」
 バリスタ玉と砕ける。
「ふん、やっぱりオレかよ……」
 最終兵器ウェイター。
 重い腰を上げて厨房に向かう。

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[2006.02.16(Thu) 23:49] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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久々の悪夢。 

2006年02月09日 ()
 ネット断絶により日付が二回変わったにも関わらず2/9日と言い張って日記を書いている二十六ですごきげんよう。ちくしょう、モデム取り替えたのに!!!

という訳で何があったかなんて忘れました。多分ムカつくことしかなかったと思われます。

仕方ないのでカフェの噂話でも置いておきますね。
あー、通勤しなくていい仕事に就いたら毎日カフェ行くね。
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「HYSTERICAL CAFFE」 -Tune up- 二十六-05

忍び寄る軍靴の音。昼の戦争はもうそこまで迫っている。
アシスタントコックが飲み終わったのを確認してオーナーは静かにカップを置いた。
「ランチ確認、行くよ?」
「バ・ベーネ(はい)」
 アシスタントコックの目に微かに鋭さが漂う。ウェイターが厨房の中に入ってきてメモの準備をした。厨房とパントリーに半数以上の従業員達が集まる。
 別にイタリアンメニュー専門の店と言う訳でもないのだけれどバリスタがカッコいいからとか使いやすいとかそういう理由で使い出したイタリア語は、今やこの店では 日本語に次ぐ公用語になった。
「まず今日のパスタ。Aスパゲッティーニボンゴレビアンコ、Bフェットチーネのサーモンクリーム、C、リングイネのシチリアーナ」
 まずランチメニューで人気の高いパスタメニュー。ランチタイムはABCと三種類のソースもパスタの種類も被らなものを用意する。ABCの違いは値段。これは毎日変わることなく固定だ。つまり、ABCの値段の枠組みにメニューを当てはめていく。
「次、デリね。A、エリンギとしめじのマリネサラダ・オリジナルポテトサラダ・ミックスフライ。B、シーザーサラダ、・スモークサーモンのマリネ、スパニッシュオムレツ。C、イタリアンハンバーグ・鶏モモの香草焼き・ローストビーフ」
 外側にショーケースを配置しちょっとしたデリカッテッセンとしても機能しているこの店はデリカの種類も豊富だ。これもパスタと同じように三種類の値段で分けられている。これは会計業務を簡略化するためにオーナーが考えたものだったが、値段が覚えやすい、と従業員にもお客様にも好評のようだった。ウェイターに「デリのB」等と指示してみれば即座に値段が返ってくる、そんな具合だ。
 値段が最初から決まっているのはもう一つ理由があった。
「どんな美味しい料理でもお客様の口に入らなければ意味がない、食べにきてもらえなければ意義がない。毎日食べても飽きの来ない味と無理のない値段を崩さない。限られた価格帯の中でどれだけいいものを出せるかが勝負なんだ」
 この店をまだ開く前のオーナーの言。今や経営方針も中心となっている。
「今日は肉々しいなぁ」
 オーナーの趣味丸出しの白い無地の四角い小鉢や更にデリ達は並べられている。それをウェイター達が注文どおりにトレイ に載せてサーブするのだ。
「あとは……まぁ、カレーとオムハヤシはいつも通り」
 カレーライスとオムハヤシライスは昼夜通しての定番としてメニューに載っている。
「ドリンクはセットと単品のオーダーを間違えないように。スイーツのオーダーをイートインで受けたら必ずパントリーでデコレーションすること」
 続く注意事項はいつも言っていることばかりだが重要なことばかりでもある。スイーツはイートインに限り、アイスクリームやフルーツがサーヴィスで添えられる。
「あとはいつも通り。一山越えたら美味いもの作ってやるから、がんばろう」
「シ・バ・ベーネ(了解しました)!」
 厨房とパントリーから人が散っていく。接客のために残っていた他のスタッフ達にオーナーからの確認事項が伝えられていく。そしてメニューリストの入れ替えが始まる。この店でお客様に出されるニューは二種類ある。一つはプラスチックの板に直接印字されたグランドメニュー。朝昼夜問わず置いてある、主にドリンク類が書いてあるメニューリストだ。そしてもう一つはモーニング・ランチ・ディナーと時間で変わるフレキシブルメニュー。これまたオーナーの趣味丸出しのギミック付メニューリストで、日によって変わるこの店のメニューによく対応している。
「カード足りる?」
 店員達がランチタイムに間に合うようにメニューを入れ替える、このメニューリストはメニューが書かれたカードをアルバムのように入れ替えることが出来る。日々指示されるメニューに入れ替えるのだ。
「うーんと」
 ウェイターは外のイーゼルの裏に隠してあるチョークと小さな黒板消しを取り出した。内容をランチメニューに書き換えるのはウェイターの仕事。
「ま、こんなもんかな」
 特徴的だが読みやすい字でパスタメニューを書いた。その下には「各種デリ、今日も揃ってます」。
「おー、きたきたー」
 前方五十メートル。近所のオフィスビルに勤めていると思われる女性達が集団でこちらに向かってきている。
「第一陣、確認」
 店の中に戻ったウェイターが誰に言うでもなくそう口にすると店の空気が一度、上がった。

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[2006.02.09(Thu) 23:33] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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だから最低24h前には連絡入れろって言っただろ! 

2006年02月07日 ()
 人に貸すために持ってきたハチクロを読み返してじんわり来てしまった二十六ですごきげんよう。鉄人セツナス……リカさんハァハァ。

 定時一時間前に入った一通のメール。
「今溝の○」
 だーかーらっ!!!! せめて24時間前には連絡寄こしなさいっていったでしょ!!! という言いつけを見事ぶっ千切って常さんが職場近くにいらっしゃいました。ああ、あのネコケンの人です。
 それでGAIちゃんも呼んで一緒にご飯食べました。この三人だと常さん常にいじられ役。ずーっとカフェ話とかMOとかそういう話してた気が……。もうちょっと時間あったら(あとお金も)カラオケ行ってたね!!!
 でも平日ということもあり優等生社会人は真っ直ぐ帰宅ですよ。そしてお風呂入りました。

 相変わらず職場でムカつくことだらけなんで元気になる呪文募集中。ちなみに「なっつオブジョイトイ」はけっこう効きました。


 この頃噂話をよく聞くカフェの話は「続きを読む」の中で。
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「HYSTERICAL CAFFE」 -All right- 二十六-04

 アイドルタイムに差し掛かった頃、厨房側の出入り口から一人の従業員が出勤してきた。オーナーについて厨房を取り仕切るアシスタントコックだ。まだ一人前ではないのでアシスタントと呼ばれている。
「早いね」
 オーナーはクスクス笑った。アシスタントコックはいつも定められた出勤時間の30分前には出勤してくる。割とギリギリに駆け込んでくる従業員が多いこの店では稀有な存在だ。
「いや、なんかね、早く家出ちゃうんですよ」
 厨房とパントリー、双方から直通になっている更衣室からコックコー ト姿で早々と出てきたアシスタントコックは照れながら笑った。
 バリスタが休憩に行く前に二人分の飲み物を作らせて片方をアシスタントコックに渡す。この店の飲み物の三分の一は従業員の口に入っているかもしれないことを誰もがうすうす感づいていた。バリスタに頼んで、時には自分の手で飲み物を作ってパントリーや休憩室で飲む。その量が飲み物総量の三分の一に迫っているのだ。正確に計算すれば従業員達が飲んでいるものはそれなりの金額になるだろう。けれどもオーナーはそれを咎める気は更々無かった。
「美味しいですねぇ……」
「春の新作らしいよ」
 エスプレッソをベースにたっぷりのフォームドミルク、更にその上にホイップクリーム。ソースではなく削ったホワイトチョコが多めにかけられている。名前はまだないらしい。
 ウェイターに負けず劣らず甘いもの好きのアシスタントコックは幸せそうにそれを飲む。
「どこらへんが春なのかな?」
「そりゃあ、アレだよ、雪の下の土って意味なんだろうね多分」
「ああ、なるなる」
 こうやって仕事が始まる前の一杯がどれだけ活力になるか経験上知っていた。始まる前だけじゃない。合間に飲む一杯、終わりに飲む一杯。一日の節目節目で飲む人のためのささやかな効果を持つ飲み物を提供したいと思い、提供してきたつもりだった。そしてその効果の恩恵に預かれる人間を決して限定はしない。だから従業員達が飲むのを止めはしない。仕事に支障が出なければ大抵のことは許す、それがこの店の経営方針だ。
(お客様はもちろん……)
 オーナーはパントリーをちらりと見た。バリスタがランチタイムのためのせっせとドリンクの仕込みをしている。ウェイターはシルバーを整え、各テーブルの調味料や紙ナプキンの補充をしていた。
(あの子たちが気持ち良く働いてくれるならそれでいいしね)
 この店は従業員達に支えられている。店を始めた時からそれは知っていた。このスタッフ達に会えたことを節目節目に感謝している。
「人は石垣人は城だねぇ」
「え?」
「じゃランチの確認、行こうか」
 私は。
 お客様に気持ちよく過ごしてもらうのと同じくらい、君達に気持ちよく働いてもらいたい。
 それが最上のサーヴィスに繋がることを予感しているから。

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[2006.02.07(Tue) 23:32] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(3) 見る▼
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COMMENT

by めがねみらくる
チャングム
はどうですか?

by 26
それ、呪文か?

by めがね
おまじないです

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今頃ウォームビズってアナタ。 

2006年02月06日 ()
 「北へ」の振り付けをマスターしようと部屋で練習していたらばーさまに笑われた二十六ですごきげんよう。咳き込むと腹筋が痛いです。

 今日はちょう寒かったです。外が寒いのは冬なので諦めがつきます。外に出るときはコート着るしマフラーするし手袋もするし。でもね、会社の中、それも決してボロいビルじゃぁ、ないんですトイレにウォシュレットついてるくらいの甲斐性はあるビルなんです。でもウォームビズがなんたらでエアコンの温度が限定されてて……。ちょっと寒いくらいならガマンしますよ厚着しますよ。でもね、キーボード打つ指がかじかむってどうですか。26が特別冷え性な訳じゃないと思うんですよね。つか手袋して仕事するわけにもいかないしなぁwww

 購買でオリーブオイルが安売りしてたんで明日あたり買おうかなぁ。


 どうやらカフェの噂は色んなところを流れているみたいです。
 聞いた噂話を書き留めておきました。


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「HYSTERICAL CAFFE」 -First Flush- 二十六-03

 開店から三十分、朝のピークを迎えた店内は入り口のドアがひっきりなしに開くようになった。
 出来るだけ効率よく、お客様にストレスを感じさせないようにウェイターは動く。朝はレジを打たない。お客様が所望されたときだけ、レシートを打つようにいている。他は注文を受け取った時点で店員が会計をする。ベルトにつけた小さなボックス型のポーチはそのためのものだ。
 最初は普段の営業通り、ウェイターがお冷出し、注文取り、サーブ、レジを全て行なっていた。しかしどんなにウェイターが機敏に動いても 結局は総出でホールを回すことになり満足なサービスが出来なかったのだ。
 従業員全員であーでもないこーでもないと考えた結果、モーニングタイムだけの変則的な接客運用が完成した。
 フードメニューはモーニングセットかテイクアウト用のサンドイッチをイートイン扱いで。会計はその場で行なう。モーニングセットに付属するアメリカンブレンドはお代わり自由だけれども、追加料金で一杯のみのバリエーションも楽しめる。値段もお釣りが出にくく、覚えやすいように設定した。
 それでもウェイターにかかる負担は大きい。メニューを値段まで丸暗記して少しでも時間のロスをなくす。そういう各々の細かい努力が今の飽和状態でも溢れることのない状況を作り出しているのだ。
 一般的な出勤時間を過ぎると客足は一旦引く。ここからランチタイムまでの短いアイドルタイムに入るのだ。
「愛想ないように見えてよく動くよねアレは」
 注文が途絶え始めた厨房から出てきたオーナーはバリスタに冷たいブラッドオレンジジュースを要求する。
「ホント……二人必要なところを一人でやりますからね」
 暢気に喋ってる二人の間にウェイターが下げた皿を持って割って入る。ウェイターにチラッと見られてバリスタは慌てて片付いていないテーブルに向かっていった。
「がんばったね」
 洗浄器のラックに下げてきた食器をはめながらウェイターは無愛想に答える。
「そう思うなら美味しいの下さいよ」
「いいよ。何が食べたいか考えておきな」
「えっとじゃあ……」
 すぐさまリクエストを言おうとするウェイターを遮ってバリスタが戻ってきた。
「うぇ、お皿重い……」
「バカ、トレイ使えよ。っていうか三人ここにいたらホールに誰もいなくなる」
 すぐにホールに戻ろうとするウェイター。
「尻尾出てるぞ」
 ベストの裾からはみ出たシャツをオーナーに引っ張られ急いで中に入れる。それを見送りながらバリスタが言った。 
「可愛いんですね」
「みんな可愛いよ? あの子だけじゃない」
「ふーん……?」
「どんな猫でもネズミを捕る猫がいい猫だ。仕事が出来ればみんな可愛い」
 そう言ってオーナーは厨房に戻った。そろそろランチの最後の仕込を始めよう。もうすぐランチタイムに差し掛かる。その前に可愛い店員達を軽い食事と共に休憩に入れる。来るべき昼の戦争に備えるために。

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[2006.02.06(Mon) 21:12] [日々の出来事]小話有Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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